乳酸菌FK-23について

加熱処理乳酸菌FK-23とは

FK-23は様々な乳酸菌の中から選び出した「エンテロコッカス・フェカリス菌」を独自の技術で加熱処理し、優れた働きを最大限に引き出した乳酸菌素材です。
ヨーグルトなどの乳酸菌は、生きた状態で食べるのが一般的ですが、FK-23は加熱殺菌体で摂取すると、健康への効果が高くなることを確認しています。

FK-23の感染防御効果

特許取得実績

マウスにシクロホスファミド(※)を与えて免疫力を低下させてからカンジダ菌を感染させ、その後の致死率を調べました。FK-23を与えない(0mg)マウスを対照群とし、このマウスが2週間で全例致死するようにカンジダ菌を血中に投与しました。
抗炎症薬はカンジダ菌投与4日前と2日前に皮下投与しました。FK-23は0.63~10mgの間で6つの濃度で、カンジダ菌投与3日前から投与直前まで経口投与しました。カンジダ菌投与後、3週間にわたりマウスの生存率を調べました。FK-23投与群は対照群に比べ、2週間後、3週間後の生存率が大幅に高まりました。
※抗がん剤や免疫抑制剤として使われる薬

FK-23の抗腫瘍効果

特許取得実績

マウスをFK-23群と対照群に分け、MM46乳ガン細胞を腹部皮内に移植しました。移植翌日からFK-23を含む飼料を、対照群には通常飼料を与えました。その後、移植4日後から3日おきにガン組織の径を測定し、移植41日目にガン組織を摘出して、重量を測定しました。
その結果、移植18日目から対照群に比べ、FK-23群のガンの大きさが有意に小さくなりました(図1)。また、対照群に比べ、FK-23群では有意なガンの重量抑制が認められました。(図2)

FK-23の毒性軽減効果

ラットを対照群(A群)、FK-23前投与群(B群)、FK-23後投与群(C群)、FK-23前後投与群(D群)に分け、抗がん剤のシスプラチンを各群のラットに腹腔内投与しました。シスプラチン投与後に各群の体重を測定し、シスプラチン投与4日後に採血を行い、腎機能の指標となる血中尿素窒素値(BUN値)及びクレアチニン値を測定しました。
A群に比べ、B群、C群及びD群で、BUN、クレアチニンともに上昇抑制が見られ、腎機能の改善が認められました(表1)。また、対照群に比べFK-23を投与した全ての群で、体重減少抑制および回復促進効果が認められました(表2)。

FK-23の白血球減少抑制効果

マウスの腹腔内にシクロホスファミド(※)を投与して白血球減少症を誘導し、うち何匹かには投与同日よりFK-23 を経口投与した。FK-23 非投与群、FK-23 投与群とも白血球の減少を抑えることはできなかったが、FK-23 投与群はより早く白血球数が回復した。また、骨髄の赤血球数に対する白血球数の比率も優位に増大した。
※抗がん剤や免疫抑制剤として使われる薬

FK-23によるC型肝炎改善効果について

ミャンマーのヤンゴン市にある国立の研究機関「Department of Medical Reserch」にある病院のC型肝炎患者にFK-23を摂取してもらいました。
食べ始めてから3か月目に採血し、肝機能の指標となるALTを測定したところ、15名のうち、14名でALT値の低下が確認され、半数以上の方で正常値となりました。

FK-23による抗酸化誘導能

ゴルフ部に所属する大学生にFK-23を1週間摂取してもらったところ、血清の抗酸化誘導能が高まることが確認できました。
FK-23摂取群では、血清中の一重項酸素を除くすべての抗酸化誘導能がプラセボ摂取群より高い値を示しました。特に、ヒドロキシルラジカル、メチルラジカルは顕著な増加を示しました。また、筋疲労マーカーやストレスマーカーにも変化が見られました。

脂肪肝抑制

マウスに高脂肪食を与えてNASHを誘導すると同時にFK-23を与えて、どのような効果を示すのかを調べました。 その結果、FK-23を摂取することで、肝機能の指標となるトランスアミナーゼ(ALT)値および血糖値の低下が認められ、病理学的にも脂肪肝の軽減を示しました。さらに肝臓での脂肪酸合成の抑制などが確認されました。その一方で、FK-23は小腸からの脂肪の吸収を抑制しなかったため、体内での脂肪代謝に影響を及ぼしたことが強く考えられました。

FK-23、LFKの慢性腎臓病進行抑制効果

慢性腎臓病モデルラットを、通常食、FK-23食、LFK食の3群に分け、発症の2週間前からそれぞれの餌を自由に摂取させ、発症の8週間後、腎臓を摘出し、形態学的および生化学的に解析しました。その結果、FK-23群、LFK群はいずれも通常食群に比べ腎臓組織の線維化が顕著に少ないことが確認できました。さらに、線維化の原因になる線維芽細胞(α-SMA陽性細胞)の出現も顕著に抑えられており、線維化の指標となる複数のたんぱく質も有意に抑制されていました。また、一般的な腎機能の指標である血中BUNやクレアチニンも、FK-23 群、LFK群では、有意に上昇が抑えられていました。

腸管免疫と濃縮乳酸菌

小腸のパイエル板ではさまざまな免疫細胞が連携し、体の中に入ってきた病原菌などの異物をやっつけます。無差別に外敵を貪食するマクロファージ、抗体を作って狙い撃ちするB細胞、殺傷能力の高いNK細胞、ほかの免疫細胞を活性化させる樹状細胞などです。食品の中には外敵ではないのに、免疫細胞を活性化するはたらきのあるものがあります。乳酸菌もそのひとつです。

腸内フローラと濃縮乳酸菌

濃縮乳酸菌は加熱殺菌をしているため、腸内フローラで生きて働くことはありませんが、食品として様々な腸内細菌の栄養分になります。腸内細菌は1,000種類100兆個にも及ぶと言われます。
ニチニチ製薬は、1種類の新しい生きた菌を腸に届けて増やすより、もともとわたしたちの腸に定着する多種多様な腸内細菌の栄養となる食事(=濃縮乳酸菌)が効率的だと考えています。